The Happy Prince(22)

「赤いルビーは、剣についていないし、目玉にあった青いサファイアもない。なにより、王子の金箔が、すっかり剥げちまってる。これじゃあ、物乞いと変らないじゃないか、ええ?」と知事がいえば、議員は全員で「物乞いとかわらないじゃないか」と唱和するのでした

「王子の足元をみろ、鳥の死骸まである始末だ」と知事が続けると、「鳥は彫像の足元で死ぬこと罷まかりならぬと、お触れを出しましょう」と都庁書記が知事の意向を文書に記録します

役人たちの命令で王子の彫像はひきずり下ろされました。「美を失ったものは、用なしだ」と大学の美学教授がのたまいます

彫像は溶鉱炉に放り込まれました。知事は残った金属をどうするか、それを決める会議を招集します

 

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