The Nightingale and the Rose(6)

薔薇の木は、つれなく、首を横にふりました。「私の木に咲くのは、黄色の薔薇なのだ。琥珀の玉座にすわる人魚の金髪に劣らず黄色く、大鎌で刈られる前の野原に咲く可憐な水仙よりも黄色い薔薇。わがきょうだいのところへ行くがいい。学生の家の窓の下に繁るわがきょうだいのところへ。ひょっとすると、そなたの望みのものをくれるかも知れぬ」

ナイチンゲールは言われた先へ訪ねてみました。「赤い薔薇を私にちょうだい」。高い声を出して鳴くのです。「おかえしに歌うわ、蕩とろけるように甘い愛の賛歌を」

薔薇の木は、つれなく、首を横にふりました。「私の木に咲くのは、いかにも、赤い薔薇。鳩の足のように赤く、洞窟の海水に洗われて優美に手をふる珊瑚の大扇よりも赤い薔薇。しかしな、冬の寒さのせいで、わしの血管は縮みあがってしまった。霜柱はつぼみを凍え死にさせるし、冬のあらしは枝をポキポキ折ってしまうしで、今年、花は咲きそうにないのだ。ざんねんだがの」

my veins. 医学的に言うと、veinは静脈で、動脈はartery. 血管はblood vesselというのだが、口語的にはveinで血管。逐語訳者は薔薇の木の設定に合せて「葉脈」と訳してるが、擬人化はあきらかなので、そんな小細工はしなくていいと思われる

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