Reverie

きょうで八月もおわり。

やれやれ、です。

一年、六月過ぎると半年過ぎたなと思い、夏の七月、八月を越えると後は楽で、残り四ヶ月は一年安全無事に過ぎることを祈るばかり。

昨年は息子と二人三脚で算数の勉強をしておりました。ぶじにむすこが志望校に合格したあとも、父子塾は時どき続けていて、古典や歴史、英語を教えています。最近一緒に読んでいるのが『星の王子さま』。

英訳本『星の王子さま』。原書はもちろん美しいフランス語ですが、訳者がボードレールの『悪の華』を訳した方だけあって、英語も美しいです。

サハラ砂漠に不時着したパイロット。空から落ちてきた星の王子さまからいきなり「ヒツジの絵を描いてよ!」とねだられて、ヒツジが入る「檻」の絵だけ描いたら、「これこそ僕の求めていたものだ」とよろこぶ王子さま。パイロットを質問攻めにするくせに、じぶんが質問されると気分次第で答えない。

And he fell into a reverie that lasted a long while.

父「lastというのは、日本語ではラスト、終りという意味で使われる言葉だが、英語の動詞だと「続く」という意味なのだな」

息子「ホウ。長く続く、なんだっけ?」

父「reverieというのは、訳しにくいねえ。英語は似たような単語を言い換えて続けるという文化の言葉で、あとで出てくる he plunged into contemplation of his treasure. このcontemplationと同じ意味と考えるといい。瞑想とか夢想とか、そういう意味だが、日本語に無理に直して覚える必要はない。reverie は reverieなのサ」

息子「このtreasureというのは、パイロットが描いてくれたヒツジの絵のことですよね」

父「おお、よくわかったね。やるぅ」

息子「星の王子さまがポケットに入れて大事にしている、とあるから、そうかなと」

父「reverieという単語をみると、お父さんなどは、やっぱり、ドビュッシーを思い出すね。まさに人をゆめ見ごこちにさせる名曲だ。聴いてみようか」

息子「うん」

…という具合で、第三章まで読みました。

 

 

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