The Nightingale and the Rose(1)

「赤い薔薇ばらを持って来て下さったら、よろこんで一緒にダンスをあなたと踊りますわ、とあの人は言ってくれた」と、若き学生は快哉かいさいをさけんだ。「しかし、ぼくの庭には、どこを探して回っても、赤いバラなんて、見つからない!」 柊樫ひいらぎかしの樹洞うろに巣をはっているナイチンゲールは、学生の声を耳にするや、葉っぱのあいだから辺りの様子をうかがいつつ、どうしたのかしらと話のつづきを知りたくなりました

holm-oak. 葉のかたちが柊ひいらぎhollyに似た樫かしのこと。holmはhollyの古語。常緑樹。小鳥が住むには格好の樹洞うろをたくさん作る

nightingale. 鳥のことには一切興味のない英国人でも、ナイチンゲールだけは知っている、恋の鳥。夜に鳴く。『ロミオとジュリエット』の中でも重要な台詞の一部に出てくることで有名(「泣いているのはヒバリではなくて、ナイチンゲールよ」)。ナイチンゲールといえば、夜と、男女の恋が、ロマンチックにセットになっている。これは、せまく文学だけの話ではなく、ごく大衆的な常識。アニタ・オデイの『バークリースクエアのナイチンゲール』は、大ヒットしたジャズのスタンダードナンバーである

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