平和。
平和といえば、パブロフの犬みたいに、口をあければたちまち、憲法九条をまもれ、とか、それよりも核の抑止力、とか、そういうことしか頭に思い浮かばない野暮天たちはさておいて。
平和のありがたさをほんとうに噛みしめるのは、天高くすみわたる秋の日のこんな午後。「のどけさ」、という言葉しか思い浮かばない、こんな日です。
暑くもなく、寒くもなく、ただすずしい秋十月の風がふいて、「爽やか」、という言葉に全身がつつまれるときですね。
さらに平和のありがたさを実感するのは、こんな秋の日に、のんきに算数の問題を解いているときですね。
「観想(テオーリア)」の生活に重きを置いた、古代ギリシャ人貴族のよろこびを再体験できます、といったら、おおげさでしょうが。
ただただ、なんと平和なのだろうと思いますね。
学問ができる、というありがたみを、ひしひしと感じます。
かおり高い紅茶。
あまずっぱいレモン。
チョコレートビスケット。
それらも勉強のおともにそばにあり、ナニナニ、「夕刻4時と5時の間で短針と長針がかさなるとき、花子さんはお母さんに買物をいいつけられて商店街にでかけました。帰ってきたら、ちょうど5時前、長針と短針が正反対の方向を指していました。花子さんが買物に出ていた時間は何分間でしょう?」
昭和の匂いがする問題で、たいそうなつかしくなります。
(答は、32と8/11分)
しかし、勉強のおともにいちばん似つかわしいのは、この季節、やっぱりぶどうかな。
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