公爵(duc)→公爵夫人(duchesse)
侯爵(marquis)→侯爵夫人(marquise)
伯爵(comte)→伯爵夫人(comtesse)
子爵(vicomte) →子爵夫人(vicomtesse)
男爵(baron)→男爵夫人(baronne)
本書は、フランス伯爵家の末裔に嫁いだ日本人女性が、夫の母、叔母、姉から、「伯爵夫人(コンテス)」の美意識、「生活美学 Art de vivre」をまなぶといふもの。その「美意識(elegance)」はフランスに特殊なものとは思はれず、国境はないやうです。昔よんで面白く、再読して、興味深いところを引いていきたいと思います。
(1)「ざんねんながら、人はみかけによる」
周囲の人の目をたのしませませう。たとへば、夏の日は、他人の目からもすゞしく見える服を着るべきです(たとへば、白い麻のシャツ)。冬の日は、寒ければ寒いほど、背中を丸めず、背筋を伸ばして軽快にあるくべきです。さうしてこそ品ある大人のスタイルができあがるのです。
ブーツ? ブーツは、戦争や狩猟を想起させる、野蛮な(血腥ちなまぐさい)履物です。ファッションですって? ナンセンスです! (←これは日本のすべての女性に対して私が言ひたいこと)
ふだんから上質なシャツやドレス、カーディガンを着る。よごさないやうに、丁寧に大事に扱つて、何年も着る。流行は追はない。普段の生活においてこそ、上質さを追求したいものです。普段着は安物でいゝという料簡からは、エレガンスは生まれません。綿はエジプト産コットン。ウールはカシミヤ。(←同意見)
黒いワンピース? まつたく感心しないわね。
ミニスカートでエレガンスを醸しだすのは難しいわね。カラダの線をむやみに強調する服は、育ちを疑はれますよ。
高級ブランドバッグをもつのはどうかしら? 主人公はじぶんといふことをお忘れね。バッグなどの小物は、上質でありつゝ、小さく、地味なものを選ぶべきです。
靴は黒のパンプスです。靴で悪目立ちすることは許されません。(←これもすべての日本の女性に言ひたいことである)
フォーマルな席では華やかに。地味な服をえらぶのは失礼です。(←全く同意見)
「装ひ」は教育の賜物たまものです。こどものころから、きちんと服を着てこそ、紳士と淑女が、うまれます。これは必須の「教養」教育です。
こどもの服や色は親がえらぶもの。こどもに好みなどありません。それは幻想です。親がむりやり押付けないと、あとで正しい感覚はこどもの身に付きません。おとなになつてからでも着られる服は着せない。子供の時でしか着られない服を着せる。
男性のファッションはお手本が英国王。スーツはオーダーメイド。上質かつ控へめ、地味な生地で。ネクタイも同様です。ぶら下がりなどもつての外。みなさん、なぜじぶんにもつと投資しないのでせう? シャツは上質の綿100%を素肌に直接着る。これはお洒落の基本。フランスの公務員は、化繊のシャツを着て、すりへらした合成皮革の靴を履いて平気でゐるのが多いのですが、Oh la la! 目を覆ひたくなります。日本のサラリーマン諸氏もたいていさうですつて? Oh la la!
エレガンスは知性にあり、知性は額にあらはれます。前髪をおろしてはいけません。
日本人はちつさい(失礼!)宝石しか身につけてをられない方が多すぎますわね。シャネルが実行したやうに、宝石は、本物でなくていゝのです。大きなものを付けたいものです。小さなダイヤモンドなど、いくら本物であらうと屑クズに変りはありません。エレガンスを求める女性なら、ブランドバッグなどもたず、大きな宝石を指に嵌めるものよ。宝石には、何より パールpearl がよろしいわ。他には、ルビー、サファイア、エメラルドかしらね。
アメリカ人男性に多くみかける、半そで半パンの夏のいでたちは、最悪ですね。さいきん、日本人でも多い? アメリカ人のやることを真似ては絶対にいけません! ヤンキーといふ名のモンキーが増殖するだけです。おゝ、汚らわしきもの、汝の名は、民主主義! とはこのことね。







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