ふりかへつて、つらつら思ふに、まいにち毎日がおなじことでは、精神衛生上わるいんですな。すこし、違ふことを、をりをりに生活に取り入れること。
わたくしは、「変へる」といふことがきらひで、理由は浮薄ふはくだから、のひと言で片付けてゐたのですが、チョット改めてみようと人生の指針を変へることにしました。スルト、あれだけ、QUATROを贔屓ひいきに半年間、毎日まいにちイタリアンに通つたものが、どうも嫌になり、違ふ店を探さうと錦通りを烏丸から西に入りましたら、見つけましたよ。中華料理店。
わたくしはもともと中華料理だいすきで、海老レタス炒飯、青椒肉絲定食、エビチリ定食、きくらげ豚たまご定食、回鍋肉定食と毎日通つてゐます。料理人は強面コハモテで、ガラの悪さうな兄アンちゃん揃ひですが、まあそれも店の活気ある雰囲気には似合つてゐます。比較的あたらしくきれいな店で、おすゝめです。界隈のサラリーマンにも人気高いやうです。だつて、こんなに美味くて980円なんだから、安過ぎます!
経済の話をついでにしますと、オーバーツーリズムで庶民にもひとつ、わかり易く突き付けられた現実が、日本はあらゆるものが「安すぎる」といふことです。ほんらいはもつと「高価格」に設定できるものが、安く安く、値段設定されてゐる(米国底辺層のナンバーワン外食産業マクドナルドは安売り競争をしてさへ2000円以上もする!)。国内では物価が上がつてゐる、賃金上昇がそれに追いついてゐないとか言つて騒いでゐますが、それはなぜかといふと、これはひとへにインフレのせゐで、インフレとは貨幣価値の逓減で、そのかはりに①金(ゴールド)、②不動産、③株式、そして④資産防衛できる物の価値が、漸増移転する現象です。貨幣価値の逓減(低金利もこれに資する)については、日本国外からの視点も重要で、「円安」を考へ直すことのほうがはるかに重要かも知れません。⑤ドルやスイスフランなどの外貨までが価値が上がっているのです。諸外国は、日本の価値を低く見積もつてゐる(なめられてゐる)といふことです。トヨタなど日本国内の輸出企業のためには「円安」がいゝんだと日本人は多く考へがちですが、円の価値は、日本の国力指標でもあるので、「円高」を程よく志向しないと、よれよれスーツを着たみつともない石破元首相のやうに日本はあなどられてしまひます。
バカなトランプは関税政策で、世界をブロック経済化しようとしてゐますが、グローバル経済(自由貿易)が基本的に正しいとすれば、「円安」といふことは対外的な事象で終るものではなく、国内でも同じことなので、物価は相対的に上昇すると、ひとびとはインフレを警戒すべきこと、当然なのです。貨幣価値を上げるためには金利を上げないといけません。
要するに、いゝですか、日本は、このインフレの中、高く評価すべき個人の「労働」の価値(賃金)を安く買ひ叩かされ過ぎてゐるのです。「格差」はあるべきです。わたくしが時どき「働く」のがあほらしいと愚痴るのは、かういふことです。消費税減税が「財政規律」をみだすから、これは国の財政破綻をきたすとか新聞などはほざきますが、日本の労働市場の「正常化」のためには、まづは、日本経済を支へる中高年層の、名目は、消費税であれ所得税であれ、そんな議論は専門家にまかしますが、大減税を行ふべきです。日本のエリートサラリーマンの年収は現状最低2000万以上に設定すべきです。減税すれば、実質もつと上がるでせう(米国ウォールストリートで働く株屋でも、年収平均8000万円ださうだ。日本でも5大商社やメガバンク3行に勤めるサラリーマンならこれ位貰つてもバチは当らぬ。医者の年収だつてさうだらう)。5,600万円だかで高年収? 大蔵省よ、国民民主党の玉木よ、おまへらは正気か。努力しても報はれない、いまゝでのまちがったアカの「財政規律」を正せばいゝだけの話である。努力した者が報はれる社会、その結果生じる「富裕層」をつくらなければ、日本の将来の宝たる子どもも増えないのである。
政治家は、国運隆盛に寄与しないれんちゅうにまで、膨大なムダ金をばらまくことだけはやめたほうがいゝ。日本は共産主義国ではないんだ。富国強兵、自由競争、格差社会の肯定。これが再び政府の明確な政治・社会指針となる。否が応でも、これからはこの厳しい現実に、日本国民は直面せざるをえない。政治家はさうハッキリ国民に告げた方がスッキリする。moral(キレイゴト)は所詮truth(事実)には勝てぬ。無い袖は振れぬ。デフレといふ名の共産主義の時代(「うしなはれた30年」)は終つたのだ。



