Looking for a French Style of Elegance (6)

たうたう、わたくしのお話も今回でおしまひですわ。「エレガンス」。それは「ジュヌセクワァ je ne se quoi」。わかる人にしかわからない。わからんちんは永遠にわからんちん。さういふものですけど、フランスの貴族は伝統的にこのセンスをたいせつにして来ました。だつて、これなくしては、平民と同じになつてしまひますからね。

ひとりの時間。これを持てる方は、大衆と違つて来ます。

夜はおとなの時間ですから、親しい人たちと語らひたいものです。テレビ? 携帯? You Tube? おゝ、そんなものをみたりいじつたりするから、大人までバカになるのですわ。

それから甘えるな、といふことです。おとなとこどもの間には線引がなされなければなりません。いい年をした大人が容易に弱音をはいてはなりません。いかなるときも毅然とした態度をとることは、日本でも武家の女性のたしなみだつたと聞いてゐます。「ピカチュウ」だの「ちいかわ」だの、あれが「カワイイ」のですつて? おゝ、あれには、わたくし、寒気がしますわ!

かういふものは、人への依存心、ねたみ、ひがみ、そねみ、それらが嵩じると「弱者の権利」などに結びつき、とゞのつまりは、平等が絶対といふ民主主義、いえ、コミュニズムに繋がるのですわ。しかし、世の中が平等などといふことはこれまでにもなく、これからも永遠にそんなものは到来しませんし、そんなことだと社会は前進しませんわ。努力したものが報われる社会にならなくて、どうするのです。貴族は、個人の「栄光 gloire」といふ価値を決してわすれません。

人との関係でへこへこするのは、美しくありません。謙譲の美徳を、日本人はたいそう好むとのことですけれど、滑稽ですわ。もつとアッサリ、自然体がよろしいかと思ひます。

日本人の方が筆で書く文字はうつくしいですね。フランス人もうつくしい筆記体を尊びます。筆跡はひとりひとり違ふ。そこに「個人」があるのです。ひとりびとりが頑固に「じぶん」をつらぬく。衆に恃んで「右に倣へ」しない。そこに、「エレガンス」はあるのだと思つてをります。

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