VIVA MAESTRO

けふは「VIVA MAESTRO」といふ映画を観てきました。二年前にも公開されたのがリヴァイヴァル上映になつたやうなのですが、けふが最終日だつたらしいので、ギリギリセーフ、といふところです。いゝ映画で、小学生の男の子も母親と観に来てゐました。大人のみならず、こどもたちにもキット感動的ないゝ映画でしたよ。

ちかごろトランプが、独裁者のマドゥロ大統領を拉致して政権転覆させたことで話題になつたベネズエラ出身のクラシック指揮者のドキュメンタリ。(といつて、トランプの妻のドキュメンタリとされる『メラニア』同様、私生活はまつたく描かれることがない。もつとも、この時指揮者は政権批判をして、マドゥロ大統領から睨まれてゐたから家族の身の安全を図る必要があつたのかも知れないが

 「エル・システマ」といふ、こどもにまつたくの善意から無料のオーケストラ教育を施す社会主義的プログラムがベネズエラにはあつて(指揮者もそこで教育を受けた)、そこで演奏してゐる子供たちの目の、何と澄んでゐること、なんと指揮者のはげましに無邪気に笑ふこと、それだけで涙がこぼれてきます。

ベートーヴェンの第九なんかでも涙が出ますが、ドヴォルザークの『新世界より』などは特にいけません。わたくしはさいきんクラシック音楽は聴けば殆、自動的になみだがこぼれてしまひます。指揮者には師匠がをり、高齢に達して亡くなるのですが、追悼のテーブルで「すべての花が刈られやうと、春は必ずやつてくるのだから」希望を捨てずにがんばらうといふ指揮者のことばにもなみだがあふれたことでした。

なぜかうも泣くのだらうか、ふしぎですが、わたくしは、俗な事、人間の基本ができてゐない、幼稚な人、無神経な人には益益軽蔑の念を隠さないやうになつてゐて、それとは対照的にうつくしいもの、藝術的なもの、愛らしいもの、繊細なものには、ますます感じ易くなつてゐるやうです。

あした明後日で2月もおはるやうですが、今年は1月から新しい勉強も始めて、充実した2カ月間でした。わたくしの人生ではひさしぶりの大きな「変化」が生じて、これからどうなつていくのやら、しばらくは流されるまゝに「漂流」(…笑)してみます。

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