ガイジンさん

私はトランプ米国大統領がきらひである。言つてることも顔付も下品で、あんなに知性の低い大統領は戦後初めてだらう。だから、「アメ公」とか言つたりすることがある。患者さんもつられて爆笑することがある。

世界史でヨーロッパ人が暴虐のかぎりを尽してきたことを話すとき、あの「毛唐」連中めが、と罵ると、患者さんも面白がることがある。

しかし、悪口を言つたとて、それと個人的な問題は別だから、私は排外主義者ではない。しかし、京都にこんなにもガイジンさんが大量に押寄せてきたのは初めてで、こゝは移民の国のアメリカではないんだぞとは言ひたい。こゝだけの話だが、京都なんて、日日じぶんたちの観光資源をみづから食ひ潰してゐるやうなところだから(いまむやみに新造のホテルが建ちまくつてゐるが、遅かれ早かれ、そのうち全部つぶれることだらう)、来るのはお止しなさいといつても、来るものは来るだらうから、これも機会だと思つて、私はガイジンさんを見物するやうになつた。

だいたいが、足が長い。足が長いといふより、腰の位置が高い。おなじことだが、印象としてそうだ。女の尻がおほきい。大殿筋が発達してゐるといふより、かれらは西欧といふ貧寒の土地に育つた民の末裔だから、生き延びるには、脂肪をたくさん蓄へる必要があつたのだらうと考へざるを得ない。男どもは腰より上の体幹に脂肪がつきまくつてゐる。

男も女も背が高い。人種がちがふと実感させられる。意外や、猫背の人がご老体にもむろんあるが、若いのにもちょくちょくあるのは異なことである。刺青をむやみやたらと入れてゐるのがある。これらは教育がない連中なのだらう。昔は日本人で、べつだんヤクザでなくても、大工などで、立派なホリモノを背中やら腕やらに入れてゐた男たちはいくらもゐたから(銭湯に行けばいくらでも見ることができた)、そうでないのかも知れないが、tatooを入れている連中の顔付や服装は愚鈍で野蛮にみえる。海の男たちは昔刺青を入れてゐたらしいから、さういふ文化的背景があるのか、それともパンクロックファッションのなれの果てなのか、わからない。

男も女も手足をむきだしにした、シンプルでユニセックスなファッションをしてゐるのが印象的である。ブランドの服などを着てゐるのは殆どゐない。これ見よがしのブランド服を着てゐるのは極まつて中国人どもである。アホまる出しである。アメリカンには、どうもマッチョ思想があるやうである。「男は男らしく、女は女らしく」ではなく、男女を問はず、「たくましく生きろ!」を信条にしてゐるやうに見える。

金髪の白人女性はやはり美しくみえる。端正な顔付をしてスタイルもたいそう良い。にも不拘かかはらず、それを誇示するまでもないとすゞしい顔をしてゐるのがじつに好もしい。日本の女たちは老いも若きも、どこか媚びを売つたやうな、甘えたやうな、高慢なやうな、要は幼稚な顔付をしてゐることが昔から私は大きらひである。優美さの欠如。かういふところは欧米人のほうが遥かに品がある。連れの男たちも文明的で優し気な顔をしてゐるのも、実に感心させられる。日本でハンサムとされて、平均的、或はそれ以下の女どもが飛びつく男の基準は、ホモまがひのジャニーズ系芸能人だから、むべなるかな。お互ひに見合つてゐるとしか言ひやうがない。

日本人は、東洋人は、どこか幼い。特に女が幼い。

昔、欧米通の日本のインテリたちはこれを必ず指摘した。指摘した最後のインテリは、浅田彰だつたと記憶する。今やインテリは弱り果て、気骨ある人はこの世から消えた。わたしには、当時判断がつきかねたが、どうも、この指摘は、私も人生60年近く生きてきて、まちがつてゐない気がする。ごく3歳の小児じぶんから、私とおんなとの相性が悪いのも、このへんに起因するのだらう。

白人たちのカップルや家族連れが、往来では、ちいさな声でひそひそ話す点も私にはたいへん好もしい。公共への配慮心からなのか、さういふ文化が欧米にあるからなのか、知らないが、デカい声を出さないのは、じつに文明的である。この四条烏丸界隈でデカい声を出すのをみれば、それはたいてい、中国人か日本人か、そのいづれかである。京都人は大阪人よりも数十倍ガラが悪いから10年近く京都で暮してきてこれは真実だと私は断ずる、しかたがないが、反省すべきであらう。

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