さくらも半ばちり、行春を惜しむ季節になってきました。ふゆから楽しんできた「木々の雫」の味をたのしめるのも、あとわづか。
「木々の雫」は昨年の今ごろ、このブログでも紹介していますが、烏丸姉小路にある龜末廣さんの数ある名物のひとつです。
「木々の雫」と雅な名前がついていますが、なかみはというと、レモンあめです。
しかし、ただのレモンあめではありません。滋味深く、いくら舐めつゞけていても、飽きがこないふしぎな飴なのです。
ひと袋600円。なかにごろごろとした飴が10数個はいっています。私はいつも10袋まとめて買ってストックし、ふゆの間、通勤の行き帰りに舐めています。なくなれば、また買い足しに。ひとふゆに5,6回は買いに行っています。効用は風邪を予防するという以上に、なめている間のどやかに、心安らかでいられる精神安定作用があると思います。
味はですね、毎回ちがうのも、おもしろいところなんですね。職人さんのその時どきの手造りで、飴の色合い、固さ・やわらかさ・割れ方・ねばり、味の甘さ・にがさがちがっていて、そのちがいを楽しむ愉しみというのもある奥深い菓子なのです。
発売時期は通年ではなく、10月の終りから5月の始まで。毎年、別れと再会という楽しみまであります。
あまりに美味しそうなお写真に亀末廣さんの木々の雫
ついに買ってしまいました。
ひと粒で身体も心もゆったりと満たされてゆく・・・。
「滋味」とは心がほどけてゆくような時間をも含めた
お味なのだと愉しませていただいております。