病気の説明 3
悲哀反応 急性ストレス反応
心因反応の一部ですが、友人の自殺、恋人との離別、肉親の自殺、肉親との死別、子供の巣立ちに接して、嘆き悲しむこと甚だしい場合があります。これは通常の心理反応なので、特に「異常」とする必要はないのですが、臨床では少なくないので、小医は、昔から「悲哀反応」には特別な分類と位置づけを与えています。しばらく通院をすること自体が「かなしみを癒す」プロセスとなっている場合が多いのです。小医は適当に頷き、余計な口は敢えて差しはさみませんが、それだけで十分患者さんの慰めにはなるようです。医者とは「お地蔵さんのようなもの」かなと思ったりします。
なにかショッキングなことや、受け入れ難い事態が起きて、ごく短期間、驚愕や不眠、恐怖、怒り、悲しみなどの反応が起きた場合、急性ストレス反応としています。これも特別に異常とすべき反応ではないのですが、臨床的にはちょこちょこみられる現象です。具体的には、離婚した粗暴男性(いわゆるDV夫)が、元妻やこどもに暴言や脅迫的言辞を弄すること甚だしく、母娘がふるえあがってしまうというケースが代表的なものです。他には不当な仕打ちを受けた人が、正義を唱えて、訴える! とか息巻くケースです。この場合、弊院は医院であって、法律事務所ではないのですが…と言いたくなります。相手のせいでこうなったという診断書を書けとか言ってくる方がありますが、小医としては、一方的な裁断は致しかねますので、客観的な事情が十分判明しない限り、やんわりお断り申上げております。
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