ナツノオハリ

先週から日ざしが微妙に和らいで。

「相変わらず暑いですな」としか挨拶をしない人が多いなかで季節のびみょうな移り変りをひそかに楽しんでおりました。

春を惜しむという言葉はあっても、夏を惜しむ言葉はないようですが、私は夏を惜しみます。8月31日の公営プールの夕がたなど、暑さの中にあわれげな情緒があったものだと思い出します。

おもえばなぜ季節のうつろいというものがあるのであろうと考えましたらば、それは地球が太陽のまわりをめぐっているからでありまして、春になれば太陽にちかづき、夏になれば最も近づいて、秋になれば太陽から遠ざかるのだと言えばわかりやすい話ですが、地球の公転をえがく図形はほぼ円といってよいほどのものらしく、答はもちろん地軸が23.4度傾いていることに求められるのですが、この「地軸が傾いている」という事実が、よく考えると末おそろしくなるような驚異の事実で、なぜそのようなことが生じたのか考えると、ちっぽけな夜つゆのごとき生命にすぎぬ人間の身にあれば「神」という存在を仮定しないととうてい考える気力も起きてこないような、巨大なる宇宙学的事実であろうと空想をめぐらすと、…すこしは涼しくなったかな?

 

 

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