けふのお午ひるご飯は、大丸地下一階で売つてるお鮨すし。
なんかねえ、プラスチックの丸桶に盛つてあるんですけど、そのまま食べるのつて、味気あぢけない。魯山人ろさんじんぢやないけど、「器は料理の衣装」。めんだうがらず、改めて、きれいな器に盛ると、お鮨の味まで上がる気がしますよ、ほんたうに。
お鮨を載せた青の台皿は、昂 KOU KYOTO さんで昔、むすこが選んで求めたもの。外のねえ、お鮨屋さんも、せめてこれくらゐの器を出してくれたら、たいへんうれしいのだけれども(お客も台皿を作る工藝家も)、そんな店は日本のどこをさがしてもなささうだから、白木づくりだけの和モダンな構への店にわざわざ高い金を落とす気も起きず。
お鮨の味とお店の雰囲気だけ問へば、京都には一軒だけ、いい家がありますが、ヒ・ミ・ツ。その家で出てくる醤油皿の絵柄が、下の写真で醤油のかはりに煎酒いりざけを入れた器と同じで、この家とは勝手にご縁を感じてゐます。
私「この雲みたいなやつは何?」
むすこ「霊芝れいし?」
私「よく憶えてたな。なんか癌をやつつける効能があるとか、日本で民間信仰されてゐた時期もあつたことを覚えてゐる。キノコの類らしいんだがね。隣のふたつグルグルがついたやつは?」
む「ん~。なんだつたつけ」
私「全然さうは見えないけど、蜂はち。霊芝と蜂で、出世、開運上昇を祈願した吉祥文様きっしょうもんようなんだね。なんでさういふ意味があるのかは知らん。清朝時代、煎茶器などに使はれてゐた」
む「見てきたやうに言ひますね」
私「これは専門書の写真で確かめたから間違ひないぜ。むすこも出世してや」
む「父母の恩、山よりも高く、海よりも深し」
私「泣かせるねえ。もつと食べや」
む「いひひ」
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