四条通からジュンク堂書店が撤退して、京都から「書店」は消え去つた。
この嘆きはほんたうに書物を愛する人でしかわからない。小根書店(仮名)なぞが、京都の大書店などと思つてゐる人がゐたとしたら、相当のばかである。あれは単に売筋の本を置いてある、見てくれだけの本屋に過ぎない。それなのに「書店」などと自称してをり、をこがましいにも程がある。店員もわかいくせに、頭がわるいのか、ナマイキなのが多くていやになる。
さいきん、わたくしは、マンガ馬鹿になつて、むかしの『美味しんぼ』や『ギャラリーフェイク』『黄昏流星群』なぞを読みだしたら、『課長島耕作』がどうしても読みたくなつてきた。
連載当時も読んできたが、今読み返すと、弘兼憲史は、やつぱり人間の描き方が深い。妻の柴門ふみの平板さとは大違ひである。しかし、どこに行つたら手に入るだらう。アマゾンで注文すりや簡単に手に入るのはわかつてゐるが、アメ公にあたまをさげるのなんかは真平である。
フト思付いたのは、三条のブックオフである。あすこにわたくしは上洛来二回も本を大量に売つて処分してゐる。ならば、あるのではないか。テクテクあるいて三条大橋を渡り、たどり着くと、…この推理はみごとに当つた! そこはアナログ人間の聖地であり、マンガもあれば、映画のDVD、クラシックのCD、小根書店(仮名)では見当たらぬが、それゆゑに尊い本ばかりが陳列されてあつたのである。小津安二郎の日記を紹介分析してある本を一冊だけ買つたが、たいそう面白い。ちなみに、島耕作の全冊揃ひは2500円の7割引、ツマリたつたの750円で手に入れた。これもまた、ゆかいである。
わたくしはこれからも何回もくるであらう。
さう確信したので、あれだけアプリを馬鹿にしてゐたわたくしが、自ら初めて積極的にブックオフのアプリをダウンロードしてポイントを蒐めることに宗旨替へしたのである。君子は豹変す。店員の太っちょの娘は実に親切であつた。「あッ! ダウンロード、おめでたうございます! さつそく100ポイント使つてみますか?」 みるみる!
その後、伊勢丹の食品売場で買物をする機会が偶偶重なつたが、こゝのレジの娘たち(みんな若い!)はたいそう親切であつた。毎回伊勢丹のアプリはお持ちでせうかと必ず尋ねるので、余程なにかいゝことがあるのであらうとピンと来た。大丸のレジはババアばかりで、アプリの有無を尋ねて来ないのと好対照である。大丸の衰運も、このへんに現れてゐるなあと思つた年の瀬であつた。わたくしは近所だからと、大丸を贔屓にしてきたが、もうこのへんでやめにする。
さやうなら、2025年!



