なんでもいい、という態度からは、「趣味」はうまれません。
じぶんの「すき」を、ふだんから追求する姿勢。そこから、「生活美学」がうまれるのだと思います。
じぶんの目にふれ、耳にし、口に入れ、鼻にかぎ、手にふれる。じぶんの五感でかんじられる、みぢかな事物をたいせつにする。
そんな些細な、日々の選択から、じぶんだけの、かけがえのない「人生」も、また、始まるのだと思います。
ふだんすわる、椅子というものに、目を向けることを教えてくれたのが、この本。

宮脇彩『父の椅子、男の椅子』(PHPエディターズグループ、2001年)
この本を読んでいたころは、開業も、椅子を買うことも、まったく想像もつかないことでしたが、明朝時代の「圏椅」には、今もこころ魅かれています。
「圏椅」を、現代に、再デザイン化したのが、デンマークの家具デザイナーのハンス・ウェグナー。いつか、買ってみたいと願っていますが、今回、診療所用にあがなったのが、初期のハイバック・チェアーのヴィンテージもの。

Hans J. Wegner GE290A High Back Chair,1953

GETAMA, GEDSTED, DENMARK, DESIGN, HANS WEGNER
すわり心地、バツグン! です。
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