病気の説明

病気の説明・各論5-15

クレプトマニア(16)

窃盗症「クレプトマニア」について(続き)

6)「非行」に走る人の人物像をすこしここで整理してみます。

つらい、くるしい、かなしい、さびしい、怒り・不満、喪失感、孤独、そういった感情をためこみやすい人。その一つの条件として、自分に自信がない、劣等感がある、が指摘できる。自己嫌悪ばかりしている人。成育環境としては、出来るきょうだい、美しいきょうだいに比較してじぶんは出来ない、ブスな(客観的にはそうではないことも多い。しかし本人は頑として認めない)部類であったことなどがある。自尊感情が低いことは、自己主張をさまたげる(文献2, p.234)からである。自己主張は攻撃欲を満足させ、ストレス発散につごうがよいが、自信の欠乏はネガティヴな感情でこころのなかがパンパンになるまで蓄積することを助長する。そうして「きたない」現実のあることを受け入れられない(文献2, p.102-3, 134)。現実と格闘できないからである。ゆえに、未熟さ、幼さがある。自己形成が不完全な、思春期心性のままの人(文献2, p.56, 94)。そういう人で、おとなしく、他人にあまり相談をしないタイプは、これらの複雑な感情を容易に整理しきれなくなる。ホンネをいう。率直にいう。他人と口論・喧嘩をする。これらは「自我」の健康な成長と確立のためには非常に大切なことだが、それができないと(喧嘩できない性格)、万事他人に合せるようになり、じぶんでじぶんのきもちがわからない(整理がつかない、或は嘘でごまかす)といった不健全な状態をまねく。葛藤しやすい。葛藤ストレスに弱い。じぶんにコンプレックスがあるので、周囲から評価されることをつねに渇望するが、これは自信のなさの裏返しである(文献2, p.65)。自分は自分、人は人という大人の成熟した安定性がなく、すぐに傷つく。じぶんと比較して、他人をうらやむ。これは幼稚ということである(文献2, p.101)。女性のばあい、美容整形に走る者に、この手のタイプが多い。しかし、他人の幸福をねたんで、世の中に腹いせをしてやりたいと思う攻撃的な気持をもつのも、尤もかと思わせるかわいそうな人生を歩んできた人もある。不公平感に悩まされる人は、とかく、損・得にうるさくなる。金銭への執着も容易に付着しやすい。

後出するように、家庭において、夫との関係、家事、育児など、精神的負担のかかりやすい女性(主婦)のほうが、男性よりも、クレプトマニアとなりやすいという「社会学」(フェミニズム?)的説明もある(文献8 p.129)が、先に前回各論5-14クレプトマニア(15)で吉田精次氏の「社会学」解釈をわたくしは排したように、医師のたちばとしては、「生物学」的に物を考えるより外はなく、決して物を盗みはしないが、店内で商品を見て回り、時には手に取って眺めて、ストレス発散することを趣味にしている女性の話を偶偶直接聞いたことがあり、女性は、男性よりも「買物」を、格好のストレス発散手段としている生物なのであると単純に考える方がはるかに理にかなっていると思われる。

なお、発達障害特性に基づくのであろうと思われる口下手、あるいは多弁すぎる人(だらだら一から十まで話し、要点だけ話せない)もここに含まれる。これらの人も、じぶんでじぶんのこころのなかの整理ができないし、要点をしぼれないので、他人に適切な相談もできない。いい年をしていても、適切な自己主張ができない。これは幼さに通じ、ストレスをためこみやすい。こういう人たちも実にきのどくである。男性に多い印象がある(後述各論5-18クレプトマニア(19)除外診断(3)註参照)。

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