病気の説明・各論5-12
クレプトマニア(13)
窃盗症「クレプトマニア」について(続き)
すこし具体例をみてみましょう。
4-a)職場にイケズをしてくる同僚がある。職場はデパートの化粧品売場でいわゆる「女の園」である。会社のことを考えると気が塞ぐ。出勤しようとすると胃が痛み、家の入口のドアに手をかけるとめまいがして嘔吐した。なので会社を休んだ(適応障害)。
過敏な肌を持つ人があるように、人には気を回し過ぎる人がある。そういう人は文字通り神経を使い過ぎるので、疲れやすい(易疲労性体質)。疲労は不安を亢進させる。職場の繁忙期も重なり、疲労も極限に達した時、電車内、高速道路運転中、理髪店/美容室内、人の多いレストラン内で、めまい、動悸、過換気発作(パニック発作)を起こした(不安障害)。
4-b)上記は、ストレスに応じて、心身の症状が反応として生じている典型例なので「医療」の対象となりやすいのですが(症例無数)、すべてのにんげんが、このような「医療」の範疇にスンナリおさまる「おとなしい」反応を示すとはかぎりません。
ストレスの解消法にはいろいろあります。先の職場のイケズ問題について言えば、負けずにやりかえせばいいのです(反撃)。しかし反撃できる位、強い人なら、最初から病院になどかかりません。だから、「反撃できない人(ヨワイ人)」というのが、いろんなことをしでかし得ます。「行動化」などという言葉が、専門用語か何かわたくしはよく知りませんが、使われることがありますが、わかりやすくいえば「モンダイ行動(逸脱行動)」で、単純に「非行」とよぶ位がちょうど良いとわたくしは考えます。具体的にいえば、左手首・左前腕・左太ももなどへのカッターナイフの切り付け(右利きの場合。自傷行為)、売春(これも実は、万引なみに多いのかも知れないと思わされる)、睡眠薬・かぜ薬などの過量内服、過量飲酒、くりかえすワンナイトラブ(多淫)、過食・嘔吐(摂食障害)、窃盗症、ひったくり、盗撮など(文献2 p.100)。

