心地よく暮らす(5);お茶の愉しみ

お茶の時間というものは、「文明」そのものだと思います。

南方に嘉木あり、「嘉木」こと茶の木は、インドにあって、ここからお茶の発見があり、時代の懸隔はあっても、世界中にお茶の愉しみがひろがっていったわけですな。

日本には中国経由でお茶がつたわって、抹茶を点てて飲む文化は宋時代の「歴史的遺物」で日本に茶人が守って残り、その後の茶文化は明代に煎茶となり江戸時代中期以後は、文人趣味となって広がりました。

ヨーロッパ人はもともと貧乏で、食い詰めたあげくに豊かなアジアにやってきたわけですが、中国の喫茶文化は最高のあこがれで垂涎の的。明清代の中国茶器のすばらしさを現在、マイセンやヘレンド、ウェッジウッドなどの茶器でしのぶというのは皮肉な話ですが、乙な話だとも思います。

お茶の文化として、抹茶はほんらい「化石」のようなものなのですが、これが今も楽しめるというのは、正に利休さんには感謝の言葉しかありません。

抹茶には抹茶にしか味わえぬ、独特の「くつろぎ」があり、これは他の何物にも替えがたいものだとは、日日お茶を点てている人なら、わかると思います。

私はお茶は小山園の「萬年の翠」にしています。相国寺有馬頼底猊下御好。香よく恍惚として苦みはひとつの混じりなくスッキリ淡泊胃に応えない。

好みの菓子舗は、老松。休日は北野天満宮よこの上七軒まで散歩がてらにぶらぶら出かけて立寄るのがたのしみ。ひとくち食べて「おお」と感嘆すること多いです。

むすこの勉強が終ったあとは、茶席をもうけてしばし団欒。この時間がなによりも私には至福の時に思われます。

 

愛用の棗は、川端近左。

 

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