診療所再開の8月19日朝、千葉県の八千代市から、たいへん大ぶりの梨、幸水こうすいが届きました。
わが診療所は雑誌を何冊も身分不相応に定期購読してゐて、そのひとつがNHKテキスト『趣味の園芸』。その本年9月号108頁以下に、千葉県は江戸時代末より日本で有数の梨産地だといふタイムリーな記事があり、来院する患者さんもまだ尠すくないことから、ラウンジチェアに身を横たへつつ、頁ページを繰くつてみると、梨について、幾いくつかのことを知ることができました。
梨はバラ科。へえ~。千葉県が栽培面積、収穫量で日本一。但し、1位といつても全体の1割チョイ。な~んだ。こどものころ私がだいすきであつた鳥取県の「二十世紀」も元は千葉県産だつた。なに~。
「黒星病」や「赤星病」とかいふ病害をうけやすく、素人が梨を育てるといふのはとつても難事。果敢かかんにも家庭で育てた場合、3年かけて収穫量1個、それで上出来の部類なのださうです。やめとかう。農家の梨の木は25年も丹精して育てて、500個ほどの収穫量といふのです。う~む。
幸水は8月、豊水は9月、千葉県で2021年に開発された秋満月あきみつきは10月上旬まで。
おくつてもらつた幸水こうすいは大変な美味で、さつそく、「幸果園」といふ農家に、また1ケース再送しておくれと連絡を入れました。送り主は、1年間ポリクリを共にした大学医学部同期の友人で、私の入れる頻繁なメールでの病状相談に根気強く、終始一貫、精神科医として誠実なはげましとアドバイスをくれた人。私も医師ですが「渦中の人間」になつては、正しい判断など不可能で、彼は私の命の恩人です。感謝の念がおおきいと、かへつて美文は書けぬもので、ただ、ありがたうと、ひとことだけ申上げます。
梨の汁 あふれる海に 飛びこめり 明以
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