「アラ、何か、お香の薫りがしますね」
わが診療所に、そこはかとなく薫る芳香に気がついて、これは何の香りでしょう?とおたづねくださる方が絶えません。
答は、烏丸二条にある、松栄堂さんの「誰が袖(たがそで)」。
お線香だと、煙がくどいので、香袋にしています。
夏がおわってから、診察室にひとつづつ、飾り置いているのですが、診療所に入る玄関前まで、薫っています。
最近、『それから』という夏目漱石原作の、森田芳光監督の映画を観ていたら、主人公の代助(松田優作)が、部屋の四隅に、資生堂の香水をまくシーンがあり(兄の誠吾が「この部屋はなんだかいい匂いがするな」と云う)、真似て、サンタ・マリア・ノヴェッラを、ポトリ、数滴落としています。
いろいろ試しましたが、定番の「王妃の水」と「ロシアン・コロン」が一番いいようです。
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