お寺の薬効

等持院。表門をくぐって、庫裏を見上げる。

等持院。お抹茶席の左端が私の指定席。芙蓉池をのぞむ。

お寺は、いまは亡き人の冥福をおいのりする場所でありますから、自然静謐な場所であり、また同時に清浄でうつくしい場所でなければなりません。

等持院は、よく風がふき渡るところ。

涼しさのなか、お菓子とお抹茶をいただき、芙蓉池をながめているだけで、自然、こころもちが安らかになってくるのを覚えます。

庭園美と自然が、一服の薬にも匹敵する効能をあたえるのです。しかも、よけいなことばは一言も発しません。お寺は究極のメンタルクリニックといえましょう。

いま、等持院は方丈を中心に大改修中で、一部しか鑑賞できませんが、私には芙蓉池をながめるだけで十分です。「温泉につかる」ほどに、心身のつかれが取れていくようです。

午前、だれのおとづれもない時間帯に、きものを着て等持院に出かけ、ぼんやり時を移すのが、わたしの最近のひそかな愉しみです。

池の鯉をながめることは無上のたのしみ。庵主になったきぶんになれます。

等持院。茶室「清漣亭」。

 

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